Windowsのシステム的なトラブルを解消してくれるかもしれないインプレースアップグレードをメーカー製PCのWindows8.1でも出来るのか試してみたところ、ばっちり可能でした。トラブル対処方法の一つとして利用できます。
先日の記事で紹介しました、Windows Update問題を修正するマイクロソフトのトラブルシューティング手順で、Windows10ではインプレースアップグレードのチェック項目がありましたが、Windwos7と8.1では項目が無しでした。
メーカー製PCのWindows7はインプレースアップグレードが出来ないのは確認するまでもなく理解できますが、Windows8.1はどうなのかと聞かれると出来るか出来ないか即答できないので実際にテストしてみました。
自作PCや一部BTOメーカーでそのPC用のWindowsインストールディスクがある場合、7でもXPでも同様の上書きインストールが可能でしたが、ほとんどのメーカー製PCでは利用不可能な手法だったため、一般的には出来なかったと言っても差し支えないでしょう。
インプレースアップグレードとは
インプレースアップグレードは、日本語で上書きアップグレードもしくは置換アップグレードとなるでしょうか。私は最近になって知った言葉です。
Windows10では、Creators Update(バージョン1703)未満からFall Creators Update(バージョン1709)にWindows Updateを使わずに、手動でメジャーアップデートができるようにマイクロソフトが最新バージョンのWindows10のISOイメージ(MediaCreationTool.exe)を公開しています。
このMediaCreationToolで作成したインストールメディアを利用して、同じバージョン(例えば1709→1709)にメジャーアップデートをかけることが出来るのがインプレースアップグレードです。
Windowsのシステム的なトラブルで、もうリカバリーで初期状態に戻すしかないかという一歩手前で、インプレースアップグレードを試せます。上手くいけば、インストールしたプログラムや個人用ファイルはそのままにWindowsのシステムだけリセットすることができます。
Windows8.1でも可能なはず
Windows10でISOファイルが公開されて以降、Windows8.1のISOファイルも同じように公開されるようになったのはご存知でしょうか。
それ以前は、Windwos8から8.1にアップグレードするにはストアアプリからダウンロードする手間がかかる方法しかなかったのが、現在はMediaCreationTool.exeを使って一気にアップグレードできるようになっています。
これを使って、8.1から8.1にインプレースアップグレードができるか試してみました。
インプレースアップグレードを試す
テストした機種は、Windows8.1プリインストールモデルの富士通 ESPRIMO FH78/RDです。購入時のプリインストールアプリは全部入れたまま、デスクトップやピクチャーに個人用データもいくつか入れて、Windows Updateで最新の状態まで更新プログラムを全部入れた状態からテストしました。
Windows8.1を立ち上げた状態から、作成したWindows8.1のインストールメディア(USB)を接続して、メディアの中にあるSetup.exeを実行します。
Alt+Tabキーを押してデスクトップ画面に切り替えて、手動で再起動をかけたらその後は最後まで進みました。
別な機種でクリーンインストールのWindows8.1で試したときは止まらなかったので、たまたまだったのかもしれません。
アップグレード完了
アップグレードが終わり、Windowsの初回のセットアップを済ませてデスクトップ画面まで立ち上がったら、インプレースアップグレードが完了です。
メーカーのプリインストールソフトや追加インストールしたアプリもそのまま残った状態です。デスクトップやピクチャーに保存していた個人用ファイルもそのままなので、見た目には何も変化がないように感じます。
Windows Updateのアップデート履歴は空の状態になっており、更新プログラムの確認をすると169個の更新プログラムが見つかりました。Windows Updateについては初期状態に戻ってやり直しでした。
トラブルシューティングで使えます
Windows7ではリカバリーしかない状況でも、Windows8.1以降はインプレースアップグレードを試すことができるというのを覚えておいたほうが良いでしょう。それでトラブルが解決するかどうかは保証できませんが、試してみる価値はありそうです。
古くはXPでも似たようなことが出来ましたね。
Home→ProやPro→Homeは無理で同じエディションのみでしたが、SP3→NoSPということは可能です。
セットアップ開始時にメニューで出る「回復コンソールを使って修復するにはRキーを押す」を使わずに、Enterキーにて先に進み「F8」キーで同意した後に出る「インストール済みのXPが壊れている場合は・・・」の画面で「R」キーを押すとソフトや個人データはそのままにXPのみ修復することが出来ました。
当時は便利に使ったものです。
元XP使いさん、そういえばすっかり忘れていました。
自作PCでOSを別途購入している場合は、XPでも7でも上書きインストールは可能でしたね。
XPではインストールCDから起動して修復インストールが可能ですが、Vista以降はwindowsが起動していないと上書きインストールが出来なかったのでした。
どっちにしてもメーカー製PCでは不可能な方法でした。
それが8.1以降はメーカーPCでも利用可能になったのが進化ですね。
記事内容を多少修正しました。。