Windows向け3大ブラウザーのInternet Explorer、Mozilla Firefox、Google Chromeブラウザーそれぞれのお気に入り(ブックマーク)、ログインIDとパスワードの保存データを、別なパソコンやリカバリー時に移行させる方法の覚書です。それぞれクラウドサービスを利用していればそれだけで同期(バックアップ)されていますが、何も準備していない状態で突然起動しなくなったトラブル時でも対応できる方法もご紹介します。
この記事では、できるだけ外部サービスを使わずにブラウザー標準機能や、Windowsファイル操作だけで行える方法しか紹介していません。その他、いろいろなバックアップ、移行方法があるうちの私が利用している方法のご紹介です。
クラウドで同期
まずは各ブラウザーのクラウドサービスを利用して、データを移行(同期)させる方法です。今時はこれを設定しておけば突然のトラブル時でも安心です。さらにPCだけではなく、スマホやタブレットでも同期して利用できるのが便利です。
Mozilla Firefox
Firefoxブラウザーでは、Firefox Syncというサービスにアカウント登録してログインしていれば、クラウド上にブックマークや、IDパスワード情報を保存してくれます。
Firefox Syncについて、詳しくは公式ページをご覧ください。
Google Chrome
Google Chromeブラウザーの場合は、Chromeの設定画面でGoogleアカウントにログインしていれば、クラウド上にブックマークや、IDパスワード情報を保存してくれます。
詳しくは、Googleの公式アンサーをご覧ください。
Internet Explorer
Windows8以降のパソコンで、IEのお気に入り、IDとパスワード保存のデータを同期させるには、マイクロソフトアカウントでWindowsにログインしていれば自動で同期されています。
マイクロソフトアカウントについて、詳しくはマイクロソフト公式サイトをご覧ください。
データ保存ファイルを直接移行
上記クラウドサービスを設定しておらず、定期的なバックアップもない状態で、Windowsが起動しなくなった場合にHDD内のデータ保存場所のフォルダーやファイルを直接取り出して、新しいWindowsに移行する方法です。
Mozilla Firefox
Firefoxは下記の中にある****.defaultフォルダーを丸ごとコピーしてバックアップします。 +Rキーでファイル名を指定して実行するか、エクスプローラーのアドレスバーに入力すると開きます。
%APPDATA%\Mozilla\Firefox\Profiles\
フォルダー階層を辿っていく場合は、コチラになります。[ユーザー名]部分は、環境により名前が違います。AppDataフォルダーは隠し属性になっているので、フォルダーオプションで隠しファイルも表示する設定に変更が必要です。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles
新しいWindowsに移行するときは、先にFirefoxをインストールして一度起動してから閉じた状態で、同じ場所に作成された****.defaultフォルダーの中身を消去して、バックアップした****.defaultフォルダーの中身に入れ替えます。
Google Chrome
Chromeブラウザーの場合は、下記の[User Data]フォルダーの中にあるDefaultフォルダーを丸ごとコピーしてバックアップします。[ユーザー名]の部分は環境により違います。AppDataフォルダーは隠し属性になっているので、フォルダーオプションで隠しファイルも表示する設定に変更が必要です。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Google\Chrome\User Data
新しいWindowsに移行するときは、先にChromeをインストールして一度起動してから閉じた状態で、同じ場所に作成された[User Data]フォルダーの中のDefaultフォルダーを消去して、バックアップしたDefaultフォルダーに入れ替えます。
(2017/09/16追記)Chromeバージョン53以降、パスワード情報だけは別にエクスポート/インポートが必要になりました。詳しくは別記事にしています。
Chromeの設定と保存パスワードをオフラインで丸ごと移行する方法
Internet Explorer
IEの場合は、お気に入りデータはユーザーフォルダのお気に入りフォルダーをバックアップすることで移行できますが、保存されたIDとパスワード情報を直接ファイルで移行することはできません。Windowsが起動しなくなったトラブル状態の場合、HDDから直接吸い出すことはできません。
Windowsが起動するのなら、コントロールパネル→ユーザーアカウント→資格情報マネージャーを開いて保存されているIDとパスワードを表示させてメモすることはできます。Windows7以前ならば標準ユーティリティの、Windows転送ツールを使えばお気に入りとIDパスワード情報も一緒に移行できますが、windows8.1は機能限定、windows10では機能削除されています。
クラウドで同期推奨
以上で各ブラウザーのデータ移行方法のご紹介でした。やはり普段からクラウドを利用しておくのが便利ですし、いまどきの使い方ですね。クラウドを利用していなくても、条件が合えばいざという時にデータを救出できる可能性もありますが、確実性はかなり低くなります。
最近、Firefoxのお気に入りと保存したパスワードを救出できなかった事例があったので、今回の記事を書いてみました。ブラウザーのデータは、消えてしまっても一つずつ地道に登録し直していけば良いので、深刻度は低いですが、できれば避けたいトラブルです。