サブスクリプション版のAdobe Acrobat Pro DCをWindows7でご利用のお客様から、先日から急に「サブスクリプションのステータスを確認できません。」のメッセージが出てPDFを開けなくなったというPCを見てきました。
とりあえずAcrobatを再インストールしようとしたら、Creative Cloudアプリが「Adobeサーバーに接続できません」と出て開けません。ネットで検索するとTLS1.2を有効化しないとCreative Cloudにアクセスできないようです。
とっくにマイクロソフトのサポートが終了しているWindows7でTLS1.2を有効化して、 Creative Cloudにアクセス できるようにした手順をご紹介します。
Windows7でTLS1.2を有効化
Windows7がTLS1.2に対応したのはサポート終了前の2016年頃のようです。その当時はTLS1.2に対応はしたけど、まだまだSSL3.0とかTSL1.0での通信がメインだったため、現在のようにTLS1.1以下を遮断する世界は想定していなかったようです。
マイクロソフトのサポートサイトに情報が出ていますが、当時”EasyFix”を使えば簡単に修正できたのですが、数年前に”EasyFix”も”Fix it”も公開終了となっておりもうダウンロードはできませんので、こちらのページの作業を手動で行う必要があります。
読むと難しいですが、手順としてはWindows Updateで最終状態まで更新プログラムを入れていればTLS1.2に対応しているので、あとはレジストリー値を6か所追加するだけです。
更新プログラムKB3140245をインストール
TSL1.2自体はWindows 7 用更新プログラム (KB3140245)がインストールされていれば機能は追加されています。Windows UpdateでWindows7のサポート終了時点まで更新プログラムをインストールしていれば、KB3140245もインストールされているはずです。
Windwos7 SP1を再インストールや初期化した場合は、こちらを参考に Windows Updateが出来ることを2021年10月時点で確認済みです。初期化状態のWindows7ではダウンロードもままならないので、別PCでMicrosoft Updateカタログからこちらの記事の2つの更新プログラム(KB3177467)(KB3125574)をダウンロードしてUSBメモリーやDVD-RでWindows7に持ってきてインストールしたあと、Windows Updateをかけて残りをインストールするのがお勧めです。
レジストリーに追加
TLS1.2で通信するためにレジストリー値を追加します。コマンドプロンプト(cmd.exe)のアイコンを右クリックして管理者として実行します。
32bit、64bit版共通でこちらの1行を実行します。レジストリーに指定の値を追加するコマンドです。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\WinHttp" /v DefaultSecureProtocols /t REG_DWORD /d 2048 /f
64bit版の場合は、こちらの1行も実行します。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\WinHttp" /v DefaultSecureProtocols /t REG_DWORD /d 2048 /f
32bit、64bit版共通で次の4行を実行します。
reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings" /v SecureProtocols /t REG_DWORD /d 2688 /f
reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings" /v SecureProtocols /t REG_DWORD /d 2688 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\SCHANNEL\Protocols\TLS 1.1\Client" /v DisabledByDefault /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\SCHANNEL\Protocols\TLS 1.2\Client" /v DisabledByDefault /t REG_DWORD /d 0 /f
これで、上記のマイクロソフト “EasyFix” と同じレジストリー追加ができたはずです。
念のためWindowsを再起動しておきます。
Creative Cloudの再インストールが必要?
以上で、Acrobat Pro DCを開くとAdobeアカウントにログインできるようになり、アクティベーションが出来て利用ができるようになりました。
なぜかCreative Cloudアプリは起動しなくなったので、一度アンインストールして Creative Cloudアプリを再インストールしたら、ログインして開けました。
なぜ数日前までWindows7で使えていたAcrobat Proがサブスクリプションのステータスを再確認しようとしたのかは不明ですが、同じトラブルが起こっている方がいたら参考にしてください。最近はOffice365のインストールもTLS1.2が必要なようです。