Windows10の機能更新プログラム(メジャーバージョンアップ)のインストールが失敗し続けるPCを見てきました。2日に渡って訪問サポートでお伺いしましたが、結局解決できずに撤収しました。(これ以外の別件のご依頼は完了しています)
Windows7から無償アップグレードでWindows10にして使い続けて、バージョン1909までは問題なく機能更新プログラムでアップデートされていましたが、それ以降バージョン2004から毎回インストールに失敗しては、元の1909に戻るを繰り返しています。
PCはユニットコム MD7100-i7-HLBで2014年発売のWindows7 Professional搭載モデル(型番:MD7100-i7-HLRB)です。
トラブルの状況
今月でサポート終了したバージョン1909ですので、Windows Updateが『最新の状態ではありません』の状態なので、定期的に機能更新アップデートをインストールしようとしては失敗してデスクトップに通知を出しているようです。
更新の履歴を見ますと、バージョン1903と1909はインストールに成功しており、それ以降のバージョン2004、20H2がこの半年のあいだ毎月インストールに失敗しています。
更新アシスタントで21H1にしてみる
今月バージョン21H1が公開されていますので、マイクロソフトのダウンロードページに行き「今すぐアップデート」ボタンを押して、Windows10更新アシスタントを使い手動でアップデートをかけてみました。
更新プログラムの準備が100%終わるまで1時間以上は待ちました。ここまではエラーもなく進んでくれました。再起動してインストールが続きます。
再起動をかけるとブルー全画面で「更新プログラムを構成しています」が始まります。最初の30%まで進むのに20分くらいかかります。30%になると一回再起動がかかります。
時間がかかるのはここまでです。(ここまで待つこと約2時間)あとは100%までサクサク進むので、ようやく終わりまで来たかと思うところです。今回もここまでは問題なく進みました。
再起動後「更新プログラムを構成しています」が再開し、30%⇒48%⇒62%と進んだところで、ブルースクリーンです。デバイスに問題が発生したため、再起動する必要があります。の嫌な画面です。最後の最後まで待たされてこのエラーはガックリきます。
停止コード:PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA と出ていますが、これだけでは原因はわかりません。
この日はもう一度アップデートを試しています。CドライブのディスクのクリーンアップでWindows Update関連のキャッシュファイルを削除して、外付けHDDや周辺機器を外した状態で2回目のアップデートをかけても、やはり同じところでエラーで失敗です。
この日はもうタイムアップとなり、Cドライブのディスクイメージだけ取らせていただき日を改めて再訪問となりました。
別PCだとアップデート成功するということは
家に戻ってから、お預かりしたCドライブイメージで、似た構成の別PCに復元したバージョン1909を元に、21H1にアップデートをかけるとあっさり成功してバージョン21H1になりました。
これで、Windowsのファイル破損でエラーが出ていたという可能性が無くなり、だいぶ切り分けできました。
早速、21H1にアップデート成功したディスク(SSD)を持って2回目の訪問となりました。上手くいけばSSDを交換するだけで終わると思っていました。
しかし、別PCで21H1で立ち上がったSSDを取り付けて電源を入れると、またもや同じブルー画面(停止コード:PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA)が出ました。どういうことでしょうか?
おそらくマザーボードじゃないかと
もう一度念のため(2時間かかりますが)、周辺機器なし(マウスとキーボードだけ)、内蔵ディスクはシステムディスクのSSDだけ、グラフィックボードなしで、バージョン1909から21H1にアップデートをかけてエラーが再現する事を確認しました。残るはマザーボードが原因としか考えられないところまで切り分けできました。
BIOSアップデートできないマザーボード
よくあるのが、マザーボードのBIOSアップデートが出ていれば改善する可能性がありますが、この機種のマザーボードはMSIのZ97-S01(MS-7923)でした。調べるとBTOメーカーやSHOPブランド用マザーボードでした。Z97-S01の市販マザーボードは型番「Z97 GUARD-PRO」です。
「Z97 GUARD-PRO」のBIOSアップデートはMSIのサイトからダウンロードできますが、Z97-S01には適用できないようです。そもそもBIOS画面にFlash BIOSアップデートの項目がありません。
ここまでで撤収となる
ここまでで機能更新プログラムのアップデート改善はあきらめることになりました。残るは最新バージョン21H1をクリーンインストールする手もありますが、Windows7から使い続けてきた環境をリセットしたくないというお客様のご意思を尊重して、これで撤収となりました。
まだ試していない項目としては
- そもそも21H1のクリーンインストールは成功するのか?
- LegacyモードとUEFIモードでは違いがあるのか?
- BIOS設定の何かを有効/無効化で違いがあるのか?
- デバイスドライバーやインストールアプリの削除で違いがあるのか?
などありますが、なにぶん一回のアップデートテストで2時間かかるので、これ以上の検証をする機会がまたあるかどうかは不明のままとなりました。
(追記)21H1にアップデートする方法をテストしてみました
その後、コメントで教えていただいた方法で再度アップデートをしに行ってきました。結果としてはアップデートできましたが、Windows Update経由でドライバーを当てるとやはりブルースクリーンが出ました。
アップデートできた方法
- Windows10バージョン21H1(64bit)のUSBインストールディスクを用意(Windows10のダウンロードサイト)
- 「Intel (R) Management Engine Interface」を無効にします。(Intel (R) Management Engine Interfaceを右クリック → デバイスを無効にする)
- LANケーブルを抜く、WiFiの電源を切っておく(再起動してもインターネットにつながらないようにする)
- USBインストールディスクをつなぐ(※例 E:ドライブ)
- スタートを右クリックでPowerShell(管理者)もしくはコマンドプロンプト(管理者)を開く
- コマンドを実行します。「E:setup.exe /MigrateDrivers none /DynamicUpdate Disable」
- 21H1へのバージョンアップを始めます
(参考サイト)
これでバージョン21H1にアップデートできました。
ブルースクリーンを出す原因のIntel Management Engine Interfaceドライバーを入れないようにしてアップデートできたということです。まだインターネットにはつないでいません。
アップデート後のデバイスマネージャーを見ますと、ドライバーが当たっていない項目が7つありました。
ここでインターネットにつなぐと、Windows Update経由で自動的にドライバーをインストールしようとします。
PCIシンプル通信コントローラーというのにIntel Management Engine Interfaceドライバーが当たりますが、そこでブルースクリーンが再発します。日付が2017/10/03のバージョン11.7.0.1045というのが入りますが、これがダメなようです。
Intel Management Engineは過去に深刻な脆弱性が見つかっており、インテルのサイトからダウンロードできるのは対策済みのCPU第6世代以降のドライバーしかありません。このPCは第4世代なのでもうドライバーの提供は無いようです。
コメントで古い8.1用ドライバーを入れて使えていると教えていただきましたが、このユニットコムのPCではドライバーが入手できませんでした。
Windows Updateでドライバーの更新をしないようにシステムの詳細設定で変更してこのまま使うというのも有りですが、このままではスリープも使えないので不便すぎます。
ということで、テストはここまでで終了となりました。
元のバージョン1909のまま使っていただくことになりました。
こんにちは。色々と有益な話題がでているので、時々様子を見に来ています。ウチの手元の機械はmd7100-i7-hlbで恐らく兄弟機です。
元が8.1でしたが、購入時7にダウングレードされて出荷されています。さて、今のバージョンは21H1で順当にアップデートされて現在に至っています。現在レガシー+UEFIモードで動いています。最初7からスタートしたので、現在もUEFIモードではありません。
あの御時世ですからボード自体かなり変態ですね。BIOSは2.0B5です。昔々これのBIOSのアップデートを企てた事があって、m-Flashの画面が出てくるところ迄はやれましたが最終目的には至りませんでした。
お約束ながら”推奨はしません”が、いくつかのサイトの報告ではMSIのZ97 GUARD-PROへのBIOS乗せ換えもできているようですね。
http://ingaoho.ldblog.jp/archives/5221180.html
いつもご覧いただきありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。
記事にしたPCもwindwos7からのアップグレードなので、「Legacyモードのみ」の設定でした。BIOSバージョンはV2.0B15でした。
Z97 GUARD-PROへのBIOS乗せ換えの情報もちらほらありますね。
ただし、当方のサポートポリシー外の作業になるのでお客様のPCでそれは行いませんでした。
メモリーはどうですかね?
抜き差しと、別のスロットに差し替えと、
もし同型メモリー予備があれば、そちらに差し替え等
たしかにメモリーという可能性もあります。
日常利用時には一度もブルースクリーンが出ないので、メモリー差し替えでのテストは行っておりません。
それでも、普段使いでは使わないメモリー量をアップデート時に使っている可能性があるので、メモリーという疑念は残りますね。
お客様のPCなので、次回があれば試してみたいと思います。
こんにちは。
Intel MEのドライバが原因でしたよ。
下記のページの最後の方にある蜜柑という人の方法で直りました。
answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/all/windows10-1909/0b1bbdfc-35b7-465c-9583-001a6c325709
アップデート前に「Intel (R) Management Engine Interface」を無効にして、
ISOからドライバの更新を無効にする引数を指定した状態でsetupを実行して、
インターネットに繋がらないようにした状態で21H1へアップデート完了しています。
アップデート前の時点で「Intel (R) Management Engine Interface」が
ない場合は、ドライバが適用されておらず「PCI シンプル通信コントローラー」と
いう表記になっている可能性もあります。
なお、1度だけ「PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA」が出る場合もありますが、
再起動すると直ります。
更新前に無効にしたIntel MEが更新に伴い有効化されるためですが、
ネットに繋がらないようにしてあって上の通りドライバ更新を無効にする引数を指定しての
ISOからのアップデートであれば、再起動後にはドライバが適用されず、
有効化されたままの状態で「PCI シンプル通信コントローラー」となります。
その後は、マウスコンピューターのサイトから古いIntel MEドライバ(Win8.1用)を
ダウンロードしてインストールして正常動作しています。
注意点ですが、WindowsUpdateによる21H1への更新と違って、ブルースクリーンが出た後に
再起動をしても自動では更新前に戻らないので注意です。
ねずこさん情報ありがとうございます。
6年前くらいのマウスコンピューター(BTOメーカー)ということは同じケースのようですね。
なにぶんお客様のPCなので、次回があれば試して報告したいと思います。
(追記)再度アップデートに行けたので記事に追加しています。アップデートできましたが総合的に判断して1909のまま使ってもらうことになりました。
返信ありがとうございます。
Intel Z97 Expressチップセットのものが該当のようですので、
MD7100-i7-HLRBも該当していますね。
ご参考までに。
はじめまして、私も似たようなエラーで、同じマザーボードを使用していることから検索しこちらにたどり着きました。
渡しの場合はikt様のようにアプデで失敗していました。
もともとHDDで遅かったのもあったので、SSDに変えたら直るかなとあまり考えもしなかったのですが、結果から言えば直りませんでした。
試したこと
フラッシュメモリにてOSのインストーラーを保存し、殻のSSDにインストール
その後起動をするもネットワークに繋ぐためのマイクロソフトのIDを入れる場所で必ず落ちる。
この記事でも記入されてるように、アップデートができないBIOSなので初期化してみるもOSのインストールに失敗。
調べてブートメニューを変えても同じようにマイクロソフトのIDを入力する場面でのクラッシュエラー。
試しにLANケーブルを抜き、ネットワークに繋げない状態でのインストールをしてみると成功しました。
その後インストールが終わった後にLANケーブルをPCにつなげ、ネットに接続を試みた瞬間にpage fault in nonpaged areaのエラーを吐いて落ちてしまいます。
まだ未解決かとは思いますが、エラーを吐かず安定させる方法をよろしければご教授願います。
RAYさん、
LANを抜いた状態でインストールできたら、ドライバーが自動更新されないように設定するとどうでしょうか。
これでブルースクリーンが出るかどうかは私は未確認です。
その他の必要なドライバーは自分で手動インストールする必要がありますが。
https://www.pasoble.jp/windows/10/driver-jidoukousinn-teisi.html
同様の症状で困っていましたが大変参考になりました
Z97-C01のBIOSを書き換えることでpagefaultは発生しなくなりました
非公式な対応であるのですが、根本から不具合を解消できるのはBIOSの書き換えしか手が無いようです
1909はサポートが切れているので継続利用はリスクがあります
難しいところですね
BIOS書き換えで上手くいきましたか。
自己責任で行える方は、やるしかないですね。
全く同じ商品で同じ状況にいまあります
mouseで購入 Z97
もう何十回リカバリしたことか…
最初は古い周辺機器を疑ってましたが
Intel (R) Management Engine Interfaceを無効化したら
正常に動きパッチもどんどん当たってる…。
BIOSの書き換えはちょっとリスキーすぎたのでこれで正常に動いて行くなら様子みかなー
Windows11でまた何かあるようならマザーボード買替え検討です
マウスコンピューターでもよく使われていたようですねZ97
たしかにそろそろ買い替え時かもしれません。
根本的な解決は bios の書き換え一択だと思います。
私の手元にも z97-s01 がありますが、同様の症状が出
たので z97 guard pro の最新 bios に書き換えてしま
いました。それ以降、page fault のエラーを吐くこと
はなく正常動作しています。
page fault であれこれ悩むよりはROM焼きして bios を
書き換えるほうが楽チンだし、精神衛生上もよいかと。
ちなみに、チップに書き込む前に、現状の bios 内容を
きちんとバックアップしておけば、書き換え後にトラブ
ルがあったとしても元に戻せるので安心です。
1000円程度の出費は必要ですが、それでマザーボードが
まともに動くようになるなら安いもんですね。
ご自身でBIOS書き換えが出来る方は自己責任でやったほうがいいですね。
当方では継続サポートができないので、サポートポリシー外の作業となり行えません。