インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジー(Intel Rapid Storage Technology)の特定バージョンがインストールされているPCでは、Windows10 バージョン1903(May 2019 Update)へのアップグレードで注意画面が出てインストールが進みません。
IRSTをアンインストールしてアップグレードを再開しても、また同じところで同じ画面が出続けます。対処方法としては、アンインストールではなく、互換性のあるバージョンまでIRSTをアップデートするのが推奨されています。
1903の既知の問題
Windows10バージョン1903の既知の問題として、 インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジーのバージョン 15.1.0.1002~15.5.2.1053 がインストールされていると互換性の問題があるようです。
バージョン 15.5.2.1054 以降は互換性あり、特に2019/8/8のバージョン 15.9.8.1050 にアップデートすることが推奨されています。
Windows10リリース情報の該当ページ(英語)
2019/8/8公開のバージョン1903と互換性ありの、Windows7/8.1/10対応 Intel RST バージョン 15.9.8.1050 のダウンロードページはこちら。
Windows7(Precision T1700)の場合
先週、DELL Precision T1700デスクトップをWindows 7から10にアップグレードしようとして上手くいかないというPCを見に行きました。まさにこの Intel RST が該当バージョンだったようで上記アイキャッチ画像のところで進まなくなっていました。
このときは、Intel RSTを完全に削除しようとデバイスマネージャーから記憶域コントローラーのドライバーを削除してみたのですが、それ以降Windows10へのアップグレードを実行するとブルースクリーンが出るようになりPCが不安定になってしまいました。
もともと、このPCはダウングレード版Windwos7なのでレガシーBIOSモードのままWindows10にアップするよりも、UEFIモードに変更してHDD初期化後にWindows10バージョン1903をクリーンインストールすることになりました。データはバックアップから復旧、アプリは再インストールと大変ですが、長い目でみれば安定するかと思います。
ということで、 Intel RST をアップデートしてアップグレードを試してみるというのは試せずじまいのまま作業完了となったのでした。
メジャーアップデート(Dynabook T75)の場合
訪問サポートでは好き勝手いろいろ試すわけにもいかないので、自宅でじっくり試せる環境を作りたかったのですが、用意できたのはIntel RSTのシステム要件を満たすWindows10バージョン1809の東芝 Dynbook T75/EGDでした。
最初にインテルから IRSTのダウンロードができる非互換性の該当バージョン:15.2.16.1060をインストールしたうえで、バージョン1903のインストールメディアからアップグレードを実行して下記画面が出るのを確認。
さらにIRSTをアンインストールして、再度アップグレードでも同じ画面が出るのを確認。Windows7のときと同じ状態を再現できました。
次に、上記で紹介した互換性ありのIntel RSTバージョン 15.9.8.1050 からダウンロードしたSetpuRST.exeを実行してアップデート後、1903へのアップグレードを再開させたところ、アップグレードが進んでバージョン1903にすることができました。
アンインストールではなくアップデート
以上で、 「インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジーの作業が必要です」と出てバージョン1903にアップグレードできない場合は、IRSTをアンインストールよりアップデートすればよいということでした。
すでにWindows10になっておりメジャーアップデートの場合は、Windows Updateで対応されるのを待てばよいので大した問題ではありませんが、Windows7の場合は2020年1月のサポート終了期限が迫っているのでのんびり待つわけにもいかないです。