Panasonicの2in1レッツノートCF-XZ6で電源投入時「システムCMOS値が正しくありません」のメッセージが出るトラブルです。CMOS電池を交換してほしいというご依頼でしたが、電池のコネクターが一般流通している形状ではないので直せませんでした。サポート失敗例のご紹介となります。
システムCMOS値が正しくありません
レッツノートの内蔵バッテリーがゼロになると、次の電源投入時に真っ黒の画面に白文字で出る「システムCMOS値が正しくありません」のメッセージです。
F2キーを押してBIOS画面に行き、BIOS設定がリセットされ時刻も狂っているので直して、F10キーで保存してBIOSを抜けると次は普通にWindowsが起動します。
これはあきらかにパソコンの時刻などを保存している小さなCMOS電池からの給電が止まっているトラブルです。原因として2つの可能性があります。
- CMOS電池が切れている
- マザーボードが故障
対処方法としては、先にCMOS電池を交換してダメならマザーボードの異常を疑うことになります。CMOS電池はボタン電池なので部品代が数百円で済むので、これで直ればラッキーです。マザーボード故障となれば当方では補修パーツが入手できないのでメーカー修理となり、PC買い替えを検討するくらいの修理代金が必要になってきます。
CMOS電池を取り出してみたら
2in1タイプのレッツノートなので、タブレット部分を分解してCMOS電池の種類を調べてみました。分解手順はSSD換装のときの過去記事で紹介しているので、そちらを参照してほしいです。今回のお客様も、この記事をご覧になって当方にご依頼していただきました。
それで取り出した電池が下画像でした。黄色い保護シールドで覆われています。
長さは約9cm、黄色い保護シールドを剥がすとCR1632ボタン電池でした。
問題はこのコネクター部分です。CMOS電池で検索して画像で探しても同じ形状のものは流通していなさそうです。
マザーボード側のコネクターに上からパチンとはめ込むコネクターですが、ネットを探してもこんな形状のものは探せませんでした。
ボタン電池だけ交換してみてもダメだった
悪あがきで修理用CMOS電池のリード線からつなぎ変えてコネクターを流用してみましたがダメでした。細リード線圧着接続端子というのを使ってみました。
エーモン 細線圧着接続端子 DC12V30W以下/DC24V60W以下 10セット 2975
これで接続してもダメだったので、さらにリード線部分をより合わせて半田付けしてみましたがやはり改善せずでした。
(注意)ボタン電池部分に半田を使うのは暴発の恐れがあるので危険です。リード線部分にしか使えません。
サポート失敗
ということで、CMOS電池を交換してみましたが改善せずでお返しとなりました。
CF-XZ6は販売から3年くらいなのでCMOS電池が切れるには早すぎるかなとも思います。残るはマザーボード故障か、コネクター部分の劣化の可能性があります。直すためにはPanasonicメーカー修理を検討していただくしかありません。
上記のサポート例は2か月くらい前の話なのですが、最近別なお客様でまったく同じCF-XZ6で同じトラブルの問い合わせがあったので、当方では直せなかったことをお伝えしてメーカー修理をご案内しています。その後お話だけ聞くと、メーカーの診断ではマザーボード交換が必要となり、金額が合わず修理を断念されたそうです。
メーカー延長保証が残っていれば良いのですが、内蔵バッテリーの充電が十分ある場合は出てこないエラーなので、そういうモノだとわかってて使い続けるという選択肢もあります。直近のお客様の方は買い替えも視野に入れつつ、とりあえずこのまま使っていくということでした。
電池の交換作業前に電池の電圧測定とかはしなかったのでしょうか?
それと可能性は低いが断線も考え、テスターで電気が供給されていることを確認しなかったのですか?
作業内容として書かれてないのでやってなしそうですね。
私ならこんな業者に修理依頼はしたくないですね。
おっしゃる通りですね。
ボタン電池の電圧を測れるテスターは持っていません。
当方は修理専門業者ではありませんので。