現在、テレワーク需要の急上昇でUSB外付けのWEBカメラの流通在庫がほとんどない状態が続いています。内蔵WEBカメラが無いPCで、ZoomやSkype,TeamsのTV会議に参加したくても注文したWEBカメラの納品日が延び延びになって困ったという方もいるかもしれません。
そんな場合に手持ちのスマートフォンをPCのWEBカメラにしてしまうアプリで代用する方法があります。今回は、Google PlayStoreで検索して見つけた5つのアプリを実際に設定して比較してみました。
無料の範囲での比較です。私のスマートフォンでマイクが使えるアプリは無料の範囲ではありませんでした。各アプリとも有料化で機能がアップグレードされます。
IP Webcam
AndroidとWindowsの組み合わせで利用するなら、私ならこのアプリを選ぶと思います。アプリを使うまでの設定が一番ややこしいですが、ブラウザーで「カメラIP:ポート番号」で開くとカメラの設定項目が一番多いのが良いです。スマートフォンの高解像度に合わせてビデオ解像度を設定できます。
WEBカメラが買えないから代用というよりも、このアプリを使うとWEBカメラよりもいろいろ映像の調整や設定が可能かもしれません。
モバイル端末対応OS | Android |
クライアントソフト対応OS | Windows |
解像度変更 | 〇 |
USB接続対応 | × |
マイク対応 | × |
PC録画対応 | 〇 ブラウザー画面で可能 |
前後カメラ切替 | 〇 ブラウザー画面で可能 |
アプリストア版Skype対応 | × デスクトップ版Skypeが必要 |
Zoomでビデオを利用する方法
- アプリをスマートフォンにインストールして起動
- アプリで「映像ストリーミング開始」を選ぶ
- PCにクライアント用ソフトをインストール
- PCで「Configure IP Camera Adapter」を起動する
- スマートフォンに表示されているIPアドレスとポート番号と解像度を設定する
- Zoomアプリを立ち上げて、設定⇒ビデオ⇒カメラを「MJPEG Camera」にする
- 設定や画質調整はブラウザーで「カメラIP:ポート番号」にアクセスして行う
PlayStoreのアプリダウンロードページはこちらです。
Windows用アプリは公式ページからダウンロードできます。
EpocCam
簡単設定でWindows,MacのクライアントとAndroid,iPhoneに対応しているアプリです。解像度が選べないので画質は映ればよいという方に良いと思います。マイクも利用できるのでWEBカメラの代用として十分使えます。潔いくらいに設定・調整項目はありません。
モバイル端末対応OS | Android、iOS |
クライアントソフト対応OS | Windows、Mac |
解像度変更 | × |
USB接続対応 | 〇 |
マイク対応 | △(無料ではデバイス表示されるだけ?) |
PC録画対応 | × |
前後カメラ切替 | × |
アプリストア版Skype対応 | 〇 |
Zoomでビデオを利用する方法
- アプリをスマートフォンにインストールして起動
- PCにクライアント用Driversソフトをインストール
- PCで「EpocCam Viewer」を起動して、カメラが認識されるのを確認。
- Zoomアプリを立ち上げて、設定⇒ビデオ⇒カメラを「EpocCam Camera」にする
アプリダウンロード
PC用アプリは公式ページからダウンロードできます。
Iriun 4K Webcam
アプリ名に4Kと付くくらいですから高解像度に対応しています。スマホが4K対応なら4Kまで設定可能と思われます。設定項目は解像度選択のみで簡単です。
モバイル端末対応OS | Android、iOS |
クライアントソフト対応OS | Windows、Mac、Linux |
解像度変更 | 〇 |
USB接続対応 | × |
マイク対応 | × |
PC録画対応 | × |
前後カメラ切替 | × |
アプリストア版Skype対応 | × デスクトップ版Skypeが必要 |
Zoomでビデオを利用する方法
- アプリをスマートフォンにインストールして起動
- PCにクライアント用ソフトをインストール
- PCで「Iriun Webcam」を起動して、カメラが認識されるのを確認、解像度を設定
- Zoomアプリを立ち上げて、設定⇒ビデオ⇒カメラを「Iriun Webcam」にする
アプリダウンロード
PC用アプリは公式ページからダウンロードできます。
iVCam コンピュータカメラ
iPhone、Android対応ですがクライアントはWindowsのみです。クライアントソフトが日本語対応なので使いやすいです。無料版だとカメラ映像に突然広告(しかも中国語)が入るようなのでこれはちょっと候補から外れるでしょうか。
モバイル端末対応OS | Android、iOS |
クライアントソフト対応OS | Windows |
解像度変更 | 〇 |
USB接続対応 | 〇 |
マイク対応 | 追加アプリで対応 |
PC録画対応 | 〇 |
前後カメラ切替 | × |
アプリストア版Skype対応 | 〇 |
Zoomでビデオを利用する方法
- アプリをスマートフォンにインストールして起動
- PCにクライアント用ソフトをインストール(要PC再起動)
- PCで「iVCam」を起動して、カメラが認識されるのを確認
- Zoomアプリを立ち上げて、設定⇒ビデオ⇒カメラを「e2eSoft iVCam」にする
アプリダウンロード
PC用アプリは公式ページからダウンロードできます。
DroidCam Wireless Webcam
AndroidとWindows(Linux)対応です。USB接続対応でマイクも使いたい場合に良いかもしれません。解像度はWindowsアプリの「HD Mode」で480pか720pに変更できます。
モバイル端末対応OS | Android |
クライアントソフト対応OS | Windows、Linux |
解像度変更 | 480pと720pどちらか選択可 |
USB接続対応 | 〇 |
マイク対応 | △(無料ではデバイス表示されるだけ?) |
PC録画対応 | 〇 |
前後カメラ切替 | × |
アプリストア版Skype対応 | × デスクトップ版Skypeが必要 |
Zoomでビデオを利用する方法
- アプリをスマートフォンにインストールして起動(IPアドレス:ポート番号の表示)
- PCにクライアント用ソフトをインストール
- PCで「DroidCam Client」を起動して、IPアドレス、ポート番号を入れて「Start」
- Zoomアプリを立ち上げて、設定⇒ビデオ⇒カメラを「DroidCam Sorce#」にする
アプリダウンロード
PC用アプリは公式ページからダウンロードできます。
注意点
最後に5種類のアプリを使ってみて、共通の注意点をいくつか。
USB接続で使えるアプリの場合、Androidの場合はUSBデバッグを有効にする必要があります。USBデバッグを有効にする方法は各スマートフォンの設定方法に従ってください。
アプリを初めて使用する場合や、解像度設定を変更した場合など、一旦ZoomやSkypeアプリを完全に終了して立ち上げなおす必要があります。アプリを×「バツ」で閉じるだけでは完全に終了していません。タスクバーの通知領域に常駐しているので、そのアイコンを右クリックして「終了」させないと設定が反映されない場合が多いです。
表にも記載していますが、Windows10プリインストールのストアアプリ版Skypeではカメラ項目に出てこないドライバーが多かったです。デスクトップ版をダウンロードして使用したほうが確実にカメラドライバーが対応しているようです。
Zoomでの利用方法の説明は、スマートフォンとクライアントPCは同じ無線ルーターにつないだ状態でテストした場合の手順となっています。